頸椎椎間板ヘルニアでは首が動かせないほど痛みがあったり手指の痛みやしびれがでたりします。症状がひどい時は手術療法が必要ですが、まずは頸部を固定する装具（カラー）や薬物療法などの保存療法を行います。ヘルニアは時間が経過すると椎間板から飛び出して神経を圧迫している髄核が小さくなり症状が軽減することが多い疾患です。ただ、症状が出ている期間は痛くて、夜も眠れず日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。この状態を神経ブロックなどでやわらげる事で少しでも楽にすることが大事です。
交通事故などでおこるむちうち。つらい首の痛み、肩の痛みは原因が色々と重複していることがあります。頸椎の関節によるもの、頸部神経障害によるもの、頸部の筋肉炎によるものなどが複雑に障害されて起こることが多い疾患です。それぞれに対しては有効な治療が違ってきますので症状にあわせて治療を行なっていくことが大事です。
肩こりは首から肩、背中にかけておこる筋肉のこりや鈍痛で頭痛や吐き気が起こることもあります。多くは筋肉が原因で起こることが多いですが、肩や背中の筋肉は思ったより多く複雑に合わさっています。どの筋肉のどの場所が悪いかを知ることができれば改善することも出来るでしょう。当院では超音波装置（エコー）を使ってそれを調べ治療に取り組んでいます。また、肩こりは高血圧や循環不全で起こることも多いため、内科疾患が隠れていないかに気をつけることも大事です。
50歳代を中心におこる肩の痛みや可動域制限（動かせない）は肩関節の異常や肩腱板の断裂や石灰の沈着など原因がはっきりとわかるものと、原因があまりはっきりとしないものがあります。原因がはっきりとしないものは五十肩や肩関節周囲炎と呼ばれています。原因がはっきりしないため治療も様々で薬が効く人もいれば、リハビリがよく効く人など人によって違いがあります。どこに原因があるのかを少しでも見いだすことができれば、その人にあった治療方法を見つけることができるでしょう。少しでもそのお役に立てるように日々の診療を心がけています。
